【大村 伸介】コミュニケーションの本質

栗の実を無理にこじ開けたら…

栗の実は、大きさも形も色艶もそれぞれです。そこに良し悪しはありません。一粒一粒が立派な栗の実です。人も様々な生い立ち、能力、性格、ものの考え方ややり方を持っていますが、それぞれが独自の「個」。これが「人はそれぞれ」です。

栗の実はイガをかぶっていますが、そのイガを無理にこじ開けるといずれ栗は腐ってしまいます。同じように、人も、その人の我を否定してこちらの価値観を押し付けたり、成長を強制したりすることで、その人が本来持っている生きる力を奪ってしまうことにもなるのです。

 

「あり方」の認識

教師が「どうあるか」。教育コーチングを実践するにあたって、そしてそれを土台としてコミュニケーションを実践するにあたって、自分は「愛情」「信頼」「尊重」を持った人であるという「あり方」の認識が極めて重要になってきます。

特に注目して頂きたいのが、「信頼」です。「信用」ではありません。「信用」は、裏付けとなる過去の実績が積み重なって出来上がるものです。ここでいう「信頼」は、その人の未来を「だいじょうぶだ」と信じることです。また「期待」でもありません。もし「期待」だと、「期待」に反する結果が出てきたとき、コーチには動揺が起こり「尊重」や「愛情」に揺らぎが生じます。「期待」ではなく、あくまで「信頼」なのです。

「信頼」には、ある意味勇気が必要です。しかし、この「信頼」こそが教育コーチの教育コーチたる、そして、教師の教師たる所以と言っても過言ではありません。もしも生徒の行動・言動に対して「信頼できない」と感じたときには、「この行動・言動に、どのようなプラスの意図が働いているのだろう」という興味を喚起してみてください。「信頼」が高まってきます。

「愛情」「信頼」「尊重」を持った人である…この「あり方」が確かになればなるほど、その上に築かれる3つのトライアングルは大きく、そしてパワフルになります。それが、みなさんのコミュニケーションに深みを与え、活性化に大きく寄与します。

大変な状況下です。そんな中で思い切って生徒を「信頼」するあり方を築いてください。再会の日、今までとはちがった風景が広がることを楽しみにして!

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大村 伸介(おおむら しんすけ)

株式会社成基総研 コーチング室 室長


集団指導塾を経て、2004年株式会社成基入社。

教室長、エリアマネージャー、本部長補佐、副本部長を歴任。

現在は、教育コーチング、パパママコーチングセミナーのトップ講師として教職員研修、保護者講演会等で全国を飛び回る。

日本青少年育成協会認定上級教育コーチ・認定A級トレーナー、主任研究員。

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