編集主幹のダーツの旅

本紙編集主幹 千葉 誠一(ちば せいいち)

本紙編集主幹の千葉誠一が地域ごとの私塾事情を探るため、ダーツが刺さった地域へ赴く新連載!各地域で活躍を続ける塾や、珍しい取り組みを行っている塾などに取材を敢行。ローカルな運営法の中に、塾で生かせるヒントがある!?

【私塾REAL】特別版 私学の新型コロナ対策『多様な対応で忍耐強くコロナ後を待つ私学』

この記事が掲載される6月半ばには状況が好転していることを切に願うが、5月半ばの時点では、月末までの休校(休業)がほとんどである。公立と私立の学校、そして学習塾や予備校の多くが休業により対面指導は無く、オンライン授業やネットによる映像授業の配信で生徒の学力格差が生じないように努力しているのだ。極めて断片的になるが、全国の著名私学の感染対策を緊急レポートする。

 

生徒の感染

4月初旬、鹿児島で10代の感染者が出たが、その後、私立「ラ・サール学園」の生徒の感染が確認され、すぐに休校措置が取られた。生徒は4日の入学式と6、7日の授業に出ていたので寮や教室が消毒され、9日以降中高ともに休校となった。生徒の親族なども自宅待機となり、波紋が広がったが重症者は出ていない。

 

オンライン授業の実態

京都の洛南中高と広島のAICJ中高は、Googleが提供するG Suiteを使用したオンライン在宅学習を導入している。いずれも5月末まで臨時休校で、入学式は保護者不参加、生徒はマスク着用で行われた。中間考査は見送り7月に期末考査が実施される予定。洛南は夏休みの補充授業を7月後半とお盆期間を除いた8月中に予定し、「1学期の学習内容が進められるようにしたい」とのこと。各学年の研修合宿や修学旅行などは2学期に延期となっている。

横浜の聖光学院中高は学園祭を延期し9月後半の4日間で調整中だ。生徒だけでなく、保護者との面談や進路相談などもオンラインで行っている。

開成中高は、運動会や中間考査を中止し、登校日は学年別に平日の月~土で分散登校する準備中。

藤沢の藤嶺学園中高は1月に中国吉林省から中学生が見学に訪れ、四谷の雙葉学園中高は2月にフランスから生徒が来日して交流した。いずれもHPの保護者ページでIDパスワードを使って連絡を行っている。

 

いち早く留学先から帰国した生徒が多い

日青協の国際交流委員会によれば、「規制が始まる前にほぼ全員が日本に戻っている」とのことで一安心。主として、オーストラリアやニュージーランドといったオセアニア地域、そしてカナダ・アメリカといった北米である。6月までの留学を3月で切り上げた生徒たちは尻切れとんぼになったかもしれない。また1月スタートの生徒たちは始まってすぐの帰国でやりきれない思いが募っていることだろう。中には「どうしても現地に残して欲しい」と保護者から懇願されたケースもあるらしい。

「アメリカの田舎であれば感染の心配がほとんどない。アメリカの感染者の大多数はニューヨークなど都会が中心だからだ」(林隆樹理事)とのこと。広い国土ゆえの特殊な事情というわけである。

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