編集主幹のダーツの旅

本紙編集主幹 千葉 誠一(ちば せいいち)

本紙編集主幹の千葉誠一が地域ごとの私塾事情を探るため、ダーツが刺さった地域へ赴く新連載!各地域で活躍を続ける塾や、珍しい取り組みを行っている塾などに取材を敢行。ローカルな運営法の中に、塾で生かせるヒントがある!?

私塾のトップに聞く:三輪 宏 取締役塾長 丸本 和博 執行役員 【野田塾】 愛知県

【野田塾】先を読みつつ迅速な対応で、家庭との信頼関係を維持

職員も生徒もフェイスガード着用

千葉 コロナ収束後について、通塾の在り方、塾内に入る前の検温や消毒、トイレや教室内の消毒や間隔、エアコンや空気清浄機等の設定などについて教えてください。

三輪 まだコロナ収束後と言える時期にはなっておりませんが、現在も感染症防止のための対策は、弊社規程通りに実施しています。主な内容は、以下の通りです。

・生徒および職員全員のマスク着用
・消毒液の設置と手指の消毒の徹底、およびドアノブなどの消毒
・ハンドソープの設置と手洗いの徹底
・共用タオルの設置禁止
・机といすの抗菌コート
・校舎内の換気、および空気清浄機の稼働
・生徒および職員の検温と体調の聞き取り
・体調に異常がある生徒および職員の出校停止
・間隔を空けた座席の配置
・間隔を十分に開けられない教室内では、生徒のフェイスガード着用を徹底
・放課中の生徒の立ち歩きを最小限にする指導
・授業中も生徒には発声させない指導
・講師のフェイスガードを着用しての授業

 

未消化の振替授業は無し、夏期講習は例年通り

千葉 これから振替授業や夏期イベントの策定、来年もし9月入学になった場合の対応など、未定のものも含めて今のお考えを教えてください。

三輪 一部、授業を行えなかったコースは、振替ではなく、授業料をいただかないことで対応しております。したがって未消化の振替授業はありません。

夏期のイベントは、宿泊合宿など、密になるおそれのあるものや食事の時間などがあって感染症予防策が取りにくいものは中止を決めております。

夏期の講習会は、例年通りの内容を実施する予定です。自治体によって夏休みの期間が異なり、また中学生は定期試験の日程もまちまちになりますから、地域に合わせたカリキュラムを組んで対応します。

秋以降の行事については、感染症の収まり具合を見て判断するつもりですので、現時点では未定です。

「9月新学期」についてですが、来年の9月入学はなくなったと考えています。また、9月入学については、教育機関だけでなく、社会全体が足並みをそろえる必要があるため、早期の導入はないだろうと考えています。万が一、導入が決まった際に、対応を考えていくつもりです。

 

加速していく教育のICT化に対応した塾でありたい

千葉 「アフターコロナ」の教育はどうあるべきだとお考えですか?生徒指導、人材管理、ICT化などについて教えてください。

三輪 今回の新型コロナウイルスへの対応では、私教育だけではなく、公教育においても、動画配信やZoomを使った授業が提供されました。もともと、通塾の安全性や、教室内の環境に対する保護者の感覚が敏感になっていた時期でもありますから、これをきっかけにして、オンライン授業やICTを活用した教育の広がりが、ますます加速していくだろうと思われます。

また、STAY HOMEにより、自宅で学習することに慣れた子どもたちや、その保護者は、提供されるサービスがしっかりしたものであれば、わざわざ塾に出かけなくても、効果的な学習ができることに気がついてきています。おそらく、対面授業の価値に対する神話も崩れていくでしょう。

民間教育では、こういったニーズに応えていく必要があります。対面式指導の利点を生かしつつ、AIとICTを組み合わせて活用し、顧客の求めるものを提供していくことが不可欠なのだと思います。コーチングのような、人しかできないところを講師が担当し、その他の部分はデジタル教材やAIなどに任せる。そんな指導の仕組みを作り上げていく必要があると思います。

(2020年6月9日、野田塾本部にて取材)

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