【大村 伸介】オフラインを突きつめる

緊急事態宣言が解除され、移動自粛も緩和の方向に向かい、多くの学校も“今までの日常とは違う日常”が広がっていることと思います。それでもやはり学校へ通うことのありがたさというか、当たり前のことが当たり前であることの大切さというか、そういうものを生徒も保護者も、そして先生方も感じておられると思います。

これで新型コロナウイルス感染症が完全に収束してくれれば問題はないわけですが、多くの専門家の方がおっしゃっている通り、今後は“Withコロナ”という言葉に代表されますように、この状況とお付き合いをしていくことが求められます。

 

未来の教室


中学生Aさんの物語
ニュース番組で見た「日本の農業イノベーション」という話題に興味を持った。午前中に近所の農業高校で農業にAIやロボットを活用するSTEAMの探究プログラムが始まるというので少し「背伸び」をして参加してみる。オンラインで繋がれた企業のエンジニアや大学の研究者との会話は理科嫌いのAさんにはほとんど分からない。しかし、なぜかワクワクさせられて、午後はこの話についていけるようにまず理科の教科書を勉強しようと思う。午後は講義動画やAIの内蔵されたEdtechを用いて自習して、高校の生物や化学の範囲まで、興味に合わせて教材が提示されてくるので効率よくどんどん勉強が進む。この時「先生」はスマートフォンで見る講義動画の中のカリスマ塾講師と、いつも親身に質問に答えてくれる学校の教員の両方。「もっと知りたい」という気持ちが強くなったので、興味がなかった理科も最近では楽しくなった。
(2018年6月経済産業省「未来の教室」とEdtech研究会第1次提言より引用)


これは、未来社会で行われるAIやビッグデータ等の新しいテクノロジーを活用した教育はどのようになっていくかを示したもので、未来社会のある中学生の1日の生活をイメージ化して説明した話です。このような学校、学びになっていくであろうというイメージではありますが、いかがですか。この「未来の教室」は過去にも拙稿で何度か取り上げておりますが、この新型コロナウイルス感染症という未曾有の状況の中で、実際これに近い取り組みをされた私学も多いのではないでしょうか。

 

オンラインとオフラインの併用

この「未来の教室」をオンライン、オフラインという観点で分解してみますと、こんな感じです。

【オンライン】
・ニュース番組で見た「日本の農業イノベーション」という話題に興味を持った。
・農業にAIやロボットを活用するSTEAMの探究プログラムに参加。(オンラインで繋がれた企業のエンジニアや大学の研究者との会話)
・講義動画やAIの内蔵されたEdtechを用いて自習

【オフライン】
・いつも親身に質問に答えてくれる学校の教員

ほとんどがオンラインです。もちろん農業高校という会場に足を運んでいますので、オフラインと言えなくもないですが、プログラムの内容はオンラインです。今回の新型コロナウイルス感染症下では、参加そのものもオンラインになりましたね。

唯一オフラインにある質問対応ですが、これも今回多くの学校がオンラインで取り組まれました。ということは…ほとんどのものがオンラインで対応可能ということになります。

1 2

大村 伸介(おおむら しんすけ)

株式会社成基総研 コーチング室 室長


集団指導塾を経て、2004年株式会社成基入社。

教室長、エリアマネージャー、本部長補佐、副本部長を歴任。

現在は、教育コーチング、パパママコーチングセミナーのトップ講師として教職員研修、保護者講演会等で全国を飛び回る。

日本青少年育成協会認定上級教育コーチ・認定A級トレーナー、主任研究員。

ohmura
▼『アクティブラーニング』の過去記事を読む

【2020/6月】本質は何か

【2020/5月】コミュニケーションの本質

 

   ≫さらに読む