【大村 伸介】コロナ禍における保護者ケア

皆様のお手元にこの記事が届く頃、例年であれば、体育祭に文化祭、修学旅行など学校行事が目白押しの秋が到来しているわけですが…。本来であれば、それぞれの学年での想い出づくりができ、絆が強まる学校行事が、例年通りに開催できない苦渋の決断を現場でなされていることと思います。緊急事態宣言が解除された頃から、修学旅行の行き先が関西方面となっている関東の先生方より個人的に多数のお問い合わせをいただきましたが、多くの学校はその後、行き先を近郊に変更し、日帰り実施になったとお聞きしています。

長女の高校は文化祭開催を見送り、体育祭も規模縮小で平日実施となりました。実は長女の通う学校の文化祭は地域連携型のもので地域の人たちとの触れ合いを楽しみに入学したわけでして、しかも、模擬店を出せるのが1年生限定ということもあり、加えて規模縮小ながらも文化祭を開催している高校も周りにはありまして、長女の怒りが爆発しております…。

次女の中学校でも学習発表会も体育大会も中止、長男の小学校でも運動会は中止になり、学年ごとに保護者が参観できる機会を設ける形態へと変更されました。
「今年は場所取りに並ばずに済むなぁ」
などと呑気なことを言っていられるのはまだ長男が小学校2年生であるからでして、これが小学6年生だったとなると、なかなかそうも言っていられないのが、父親としての正直なところです。

 

日本の子どもの幸福感

先日、国連児童基金(ユニセフ)が先進・新興国38カ国に住む子どもの幸福度を調査した報告書を公表しました。報告書は、経済協力開発機構(OECD)と欧州連合(EU)の加盟国を国連などの統計を用いて分析、一定のデータが集まった38カ国を「精神的な幸福度」「身体的健康」「学力・社会的スキル」の3分野で指標化したものです。それら3分野の総合順位1位はオランダ、2位デンマーク、3位ノルウェーで、日本は20位でした。

この結果だけ見れば、ちょうど真ん中あたりに日本は位置していますが、生活満足度の低さと自殺率の高さを指標化した「精神的な幸福度」の分野においては、37位と最低レベルであったという衝撃的な内容が各メディアでも取り上げられました。ちなみに「精神的な幸福度」の1位がオランダ、最下位はニュージーランドでした。

15歳の子どものうち、生活満足度が高い割合は、オランダが90%と最も高く、最下位がトルコの53%、日本は62%でした。15~19歳の10万人当たりの自殺率は、ギリシャが1.4人と最も少なく、日本はその約5倍の7.5人という結果でした。

その他の分野ですが、「身体的健康」において日本は1位であり、「学力・社会的スキル」において日本は27位でした。ここで特筆すべきは、「読解と数学力」といった学力は5位であったのですが、「すぐに友達ができる」という社会的スキルは15歳の割合は最下位クラスの69%にとどまっているということです。

また、子どもの幸福度を支える経済状況では、日本は失業率が一番低く、子どもの貧困率も18.8%と平均の20%よりは低かったというデータも出ています。

すなわち、経済的にも比較的恵まれて、学力も比較的ついており、身体の状態は非常にいいわけですが、幸福を感じていないという実態が明らかになったわけです。

ちなみに、使われた統計は、2015~19年のもので世界的な新型コロナウイルス流行前。報告書では、新型コロナウイルスの影響にも触れ「健康だけでなく社会経済のあらゆる面まで広がるだろう。子どもたちは長期的に最も負の影響を受ける恐れがある」と強調しています。

1 2

大村 伸介(おおむら しんすけ)

株式会社成基総研 コーチング室 室長


集団指導塾を経て、2004年株式会社成基入社。

教室長、エリアマネージャー、本部長補佐、副本部長を歴任。

現在は、教育コーチング、パパママコーチングセミナーのトップ講師として教職員研修、保護者講演会等で全国を飛び回る。

日本青少年育成協会認定上級教育コーチ・認定A級トレーナー、主任研究員。

ohmura
▼『アクティブラーニング』の過去記事を読む

【2020/9月】21世紀型人財の育成

【2020/7・8月】オフラインを突きつめる

 

   ≫さらに読む