【森上 展安】コロナ禍で中盤でも中上位校伸び悩む

9月四模試結果が判明した。中盤の首都圏私立中入試情勢は中上位校志望数が縮小、一方半付属人気及び中下位校シフトが鮮明になった。

 

最難関10%減、準難関5%減

9月四模試の各校志望者数をプロットすると、最難関の多くは10%前後の減、そして準難関は5%程度の減と、難関になるほど志望者減少が著しい。

難関、準難関で増加している学校は少数あるものの、いずれも倍率が2倍そこそこで直近の入試状況が低倍率の学校で、志望者数が多少増加しても入試状況に大きな影響はない。

この最難関、準難関の入試沈静化は恐らくコロナ禍による学力の伸び悩みを反映していると考えられる。

これがリスクを避ける安全志向の表れであるのは、2日、3日の二番手校の志望者が伸びていることを見れば明らかだ。

 

半付属校人気の継続

更にこの数年の半付属校人気が今回も鮮明。一方でいわゆる付属人気が沈静化したのは明らかで、早慶、MARCHなどの付属校は減少基調だ。ところで筆者は付属「上位」校という言葉はあまり使わない。付属という言葉は系列大への進学率7割台以上を指すと定義しているからだ。

その意味での付属校は早慶MARCHなどのいわゆる「上位」校以外はない。付属校であると共に難関、準難関であるわけで10%~5%という減少基調を同じくする。日大系列校の中には、その意味で「付属」と言える学校もあるが大半は系列大進学率70%未満で、「半付属」に分類される。

日大ブランドは大学入試においては相当傷んでいると報道されることが少なくないが、中学受験では「半付属」つまり系列大にも進学できるものの他大学へも進学できる進学校という意味で日大付属各校は「半付属」に分類され、「半付属」人気の大勢力となっている。とりわけ日大豊山など新校舎になって間もないという理由もあるが、この意味で人気校の典型と言える。

 

女子大付属3校が人気

ただ付属人気が沈静化する中で、女子美、日本女子大附、昭和女子大昭和の女子大付属3校の人気が上昇している。

女子美はいわばアート専攻という特異な位置もあって約7割が女子美大に進学する付属校。日本女子大附は系列大にない医歯薬学系に10%程度出たりするが、やはり7割台の日本女子大進学率の付属校。昭和女子大昭和はこの中では唯一系列女子大進学率が3割弱だ。

つまり女子美、日本女子大附は付属、昭和女子大昭和は半付属になる。しかし日本女子大附は系列大に工学部と医学部がないため、その方面の進学者は系列大に進学しない。筆者の場合、こういったケースの進学率は系列大に進学する卒業生を差し引いて計算することにしており、例えば医歯薬進学の場合、2021年度晶文社発行『中学受験案内』によれば19年の実績は3割程度医歯薬に進学しており、これはフェリス、洗足に並ぶ高い数値と言える。また昭和女子大昭和の場合も医歯薬こそ多くないものの系列大非進学者に占める国公立、早慶上理、MARCHののべ合格者数は66%にもなっており、入学時の偏差値に比べて高い実績となっている。この3校とも古くからある女子校で伝統があるが、進路についてはこのように女子美はともかく半付属らしい好実績を残していることが人気の理由と考えられる。

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