【大村 伸介】表裏一体

つい最近まで半袖を着て、クールビズで過ごしておりましたが、朝晩はめっきり冷え込みが感じられる季節となりました。講座や研修で東京方面に出張する機会が多々ありますが、Go Toトラベルも東京都が追加され、新幹線や宿泊施設にも少しずつ人が戻ってきているようにも感じます。このまま、新型コロナウイルス感染症が少しでも終息に向かってくれることを願うばかりです。

 

ひょうたんから駒

様々な学校行事が中止に追い込まれている状況は、前号でも申し上げましたが、私の住む地域の小学校でも、修学旅行が日帰りバスツアーとなりました。しかし、それでは小学校生活最後の思い出が…ということで、保護者の方々が中心となって、日帰りバスツアーの後に、学校でイベントを開催することになりました。題して、
『夜の学校探検ツアー』

生憎私の子どもたちは、小学校6年生ではありませんので、参加はしていませんが、聞いたところによると、クラス委員の保護者が中心となって、各クラスの保護者たちで、それぞれ知恵を出し合って、工夫を凝らしたイベントを行ったそうです。中には『お化け屋敷』なるものが登場したり、ちょうどハロウィンの季節でしたので、学校のいたるところで保護者たちが仮装をして生徒たちをびっくりさせたり…。もちろん、新型コロナウイルス感染症への対策を万全にした上での実施でしたので、お化けがマスクやフェイスガードをしているのですが、そこも工夫して、マスクやフェイスガードに特殊メイク??を施したそうです。参加した生徒たちからは、
「修学旅行が中止になったのは残念だけど、すごく楽しかった!」
「来年の卒業生にもしてあげてください!」
「来年も開催するなら、私たちにも何かさせてください!」
といった声が寄せられ、大好評だったそうです。

もちろん、新型コロナウイルス感染症がなければ、このような機会もなかったわけで、本当に何が幸いするか分かりませんが、
「ひょうたんから駒、とはまさにこのことですわ」
と保護者の皆さんも満足げな表情を浮かべていたそうです。

 

どこを見ているか

事の発端は先ほど書いた通りなのですが、企画の中心となった保護者の方に聞いてみますと、こんなことをおっしゃいました。

「修学旅行が中止になって、みんな残念な気持ちになっていました。そこで、何かできないかなぁ、とPTAが中心になって、クラス委員の保護者と話していたんですね。そうしたら、『コロナがあるからいろいろできないのなら、コロナがある今しかやれないことって何かないかな』っていう感じになりました。それを基に、各クラス委員の保護者が、クラスごとの連絡網を使ってアイデアを募集したら、結構出てきたんですね。なので、だったらクラスごとにやってみようか、となりました」

このお話を聞いて、陰陽道の陰陽魚太極図を思い浮かべました。

これは、黒い部分が下降する陰の気を、白い部分が上昇する陽の気を表しています。黒い部分の中の白い点は陰中陽、白い部分の中の黒い点は陽中陰というそうで、これの意味は万物に完全はないという意味だそうです。

まさに、小学校の保護者の皆さんは、黒い部分に白い部分を見出そうとして、必死でアイデアを出したに違いありません。そして、それを実現するために、様々な準備をしたわけです。聞いたところ、多かったクラスでは10回くらい打合せをしたそうです。

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