編集主幹のダーツの旅

本紙編集主幹 千葉 誠一(ちば せいいち)

本紙編集主幹の千葉誠一が地域ごとの私塾事情を探るため、ダーツが刺さった地域へ赴く新連載!各地域で活躍を続ける塾や、珍しい取り組みを行っている塾などに取材を敢行。ローカルな運営法の中に、塾で生かせるヒントがある!?

私塾のトップに聞く:松村 幸夫氏 代表取締役 北野 修氏 取締役スクール長【サイエイスクール(株式会社埼英スクール)】 埼玉県

【サイエイスクール】厳しい環境だからこそ、生徒に学びの機会を失わせたくない

さいたま市を中心に展開する「サイエイスクール」、来年で創立50周年を迎え、正社員講師の指導を売りとして、合格実績だけでなく、英検・数検・漢検の三検定取得率の高さでも有名。その指導力と実績は全国の塾から注目されている。
コロナ禍が続く中、現状の課題と今後の方向性などを中心に、松村幸夫代表と北野修スクール長にさいたま市の本部事務局で取材した。

グループに外国人講師のいる英会話部門も強み

千葉 展開地域と校舎数などを教えてください。

サイエイスクール(株式会社埼英スクール)
(左)松村氏 (右)北野氏

松村 埼玉県内に小・中学生中心の塾が29校舎、中学受験専門塾が2校舎、千葉県の流山市に1校舎あります。またグループの英会話部門であるサイエイ・インターナショナルが埼玉県・東京都・千葉県に16校舎あります。東京都板橋区のときわ台校は昨年11月に開校しました。他には、体験型理科実験教室サイエイLab、学童保育の放課後クラブを2校舎、ココス英語幼児園をグループで展開しています。

千葉 スタッフの数はどれくらいで男女比はどのくらいですか?

松村 弊社は正社員講師制を特長としています。塾部門の正社員は約100名で、男女比は約8:2です。学童保育部門は、ほとんどが女性です。英会話部門の男女比は塾とは真逆で2:8くらいです。

 

勉強の遅れを心配される保護者が多かった

千葉 コロナ禍という状況のなかでどのように授業を進めてこられましたか?

松村 緊急事態宣言で、4月は休業しましたが、サイエイのHPに無料の配信講座を中学生用にアップしました。5月は全学年対象にオンラインの双方向配信授業を行い、同時に中3生の一部希望者に対し4~5名の少人数ライブ授業もスタートさせました。6月に入り保護者の意思を確認しながら平常授業に戻していきました。社員も振替授業も含め、生徒さんと会うことを楽しみにしながら、厳しいなか、頑張ってくれました。

北野 休講中に保護者とは電話相談を行いました。また、メールでのご質問、ご相談を受けることが通常よりも多かったのですが、やはり保護者の方はお子様の勉強の遅れが心配で、子どもを出来るだけ塾に通わせたいというご意見をたくさんいただきました。夏期講習は、小・中学校の夏休みが2週間ほどしかなかったことに合わせて、夕方から夜の時間帯で行いました。時間割やカリキュラムを工夫し、例年通りの学習内容を進められました。生徒も社員も頑張ってくれた成果ですが、夏期講習の確認テストでも好成績を達成できました。

 

感染対策は基本の徹底

千葉 コロナの第二波により、全国的に大都市を中心に感染者が増加傾向のところがあります(2020.10.7現在)が、どのような対策をしておられますか?

松村 幸いなことに埼玉県でも我々の展開する地域では爆発的な感染状況にはなっておりません。しかし、ワクチンが完成するまでは、油断することなく基本の感染対策をしっかりとやっていこうと取り組んでいます。生徒・全社員のマスク着用、手洗いの励行、定期的な換気、ドアノブや机の消毒などです。そのほか生徒のいない夜間に、次亜塩素酸水を使って事務室、教室の消毒を行っています。

また、弊社は5年ほど前からインフルエンザの感染防止対策として、加湿器の設置や次亜塩素酸水の精製・使用を行ってきました。したがいまして、消毒液については色々な意見もありますが、次亜塩素酸水の確保については全く心配がありません。

北野 特に社員の体調管理は気を引き締めて取り組んでいます。Zoomでのオンライン会議が増えましたが、会議のたびに感染対策への取り組みの徹底を行っています。

 

ライブならではの授業にこだわりたい

千葉 オンラインやリモートの指導を行う学校や塾が増えていますが、リアルとのバランスも大事になっています。どのような活用の仕方が望ましいと思いますか?

北野 弊社はライブ指導にこだわりがありまして、ライブ指導ならではの教育を重視しています。それを前提として、ZoomやYouTubeなども活用しながら、今後もライブ中心に指導の質を高めていきたいと思っています。

5月にはZoomで緊急的に授業を行いましたが、それでわかったことは、通信環境が一律ではないこと、低学年の生徒は親の支援が必要であることなどです。塾側が一方的にリモート授業を行うのは、いろいろと課題があることがわかりました。

千葉 リモート授業についての問題点は他にありましたか?

北野 小・中学生のリモート授業では、生徒さんの集中できる時間もライブ授業とは違うと感じています。今後、リモート授業を行う場合には、授業時間も含め授業料の体系も見直す必要があると考えています。

1 2