学びとゲーミフィケーション#03 ~ゲーミフィケーションとは何か?

こんにちは、ゲーミフィケーション賢者Lv98のきっしーです。

今回は、本連載の主題「ゲーミフィケーション」という言葉についてお話します。皆さんの中でも、ゲーミフィケーションという言葉は聞いたことがあるが、意味はよくわからないという方も多いのではないでしょうか。まずは下のマンガを読んでください。

つまらない山のぼりをワクワクにさせる仕掛け

つまらない山のぼりを、ワクワクにさせる仕掛けを使って、生徒たちが楽しく達成できた例です。2人とも見事に山を登り切ることができました。

 

楽しくやり遂げるだけがゴールではありません。次に挑戦したくなる気持ちや自信を引き出すのがゲーミフィケーションです。そして、2人それぞれに別のゲーミフィケーションを使っている所に注目してください。

 

ゲーミフィケーションとは、ゲーム要素を用いて、世の中のツマラナイものをワクワクするものに変えて、人を楽しく能動的に行動させる仕掛けのことです。

マンガ内のきっしーぐま先生は、抱えている問題が違う生徒2人に、《能動的な参加》《達成可能な目標設定》《称賛の演出》の3つの仕掛けをどのように使っているのか考えてみてください。

 

《能動的な参加》

 無理やりではなく、対象者が自主的に参加したくなる仕掛けを作る

《達成可能な目標設定》

 対象者が、楽々またはちょっと頑張れば乗り越えられそうな目標を設定する

《称賛の演出》

 達成したこと、がんばったことをホメる。そして次の挑戦を促す
楽しく取り組むことはあくまで手段であって、本人が、出来た、自信を持った、自発的に学び始めたというポジティブループを回すことがゴールなのです。


※まずは(1)~(3)を学ぼう

ゲーミフィケーションの歴史

 ゲーミフィケーションは、2010年頃にアメリカで生まれた新しい言葉です。Gamify(ゲーム化する)の名詞がGamification(ゲーム化すること)です。何をゲーム化するかというと、世の中にある様々なゲームではないものです。元々はウェブサービスから広まりました。

日本でも当初、ウェブサービスを中心に注目されましたが、やがてeラーニングの普及とともにモチベーションテクノロジーの一手法として捉えられ始めました。eラーニングでもどうやって継続させるかが大事だったからです。

インターネットやコンピューターなどのデジタルとの相性がとても良いのが、ゲーミフィケーションの特徴です。なので、学校や塾の対面授業のみならず、コロナ渦のオンライン授業や、これからのGIGAスクールにおいても生徒たちのモチベーションを高める有益な手法となります。

 

ゲーミフィケーションが今 必要な理由3つ

今の時代の学びに、ゲーミフィケーションを使って「楽しく継続」させることが必要な理由を3つ紹介します。

  1. 価値観の変化
    昭和の日本の成長期には、がんばってやるか、あきらめるかの選択肢しかありませんでした。成長期だったので、がんばってうまくいった時にはご褒美のアメを提供できました。平成、令和の停滞期の今の時代では、後でアメを提供できるとは限りません。大学教員時代に接した学生たちの価値観は、とにかくがんばるよりは、ほどほどにはがんばりながら、自分の好きなことをやりたい。雰囲気の良い仲間たちとそれを目指したいでした。我々が提案しているのは、楽しくつづける という第三の選択肢です。
  2. ゲームネイティブ世代
    物心ついた時からゲームと慣れ親しんだ若い世代にとっては、勉強や生活もゲームみたいに楽しくしてほしいという欲求です。
  3. 主体的に考えて動ける人材
    これからの時代、AI(人工知能)に代替される領域がますます拡がっていきます。求められるのは、主体的に動き、新たな価値を生み出せる人材です。こうした人材を育むためには、自ら一歩目を踏み出す、継続するを支援する楽しい仕掛けが必要なのです。

 

今回の話のまとめです。

・ゲーミフィケーションとは、ゲーム要素を用いて、世の中のツマラナイものをワクワクするものに変えて、人を楽しく能動的に行動させる仕掛け

・ゲーミフィケーションはアメリカ生まれ、デジタルとの相性がとても良い

・ゲーミフィケーションが必要な理由は、価値観の変化、ゲームネイティブ、AI時代の人材の育成

 

次回は、#04「身近にあるゲーミフィケーションを見つけてみよう」をお話しします。

 

(おわり) ※1786文字

過去の記事:

#01「今なぜ、ゲーミフィケーションが必要なのか?」

https://shikyoiku.net/7918  
#02「ゲームのワクワクする仕掛けとは?」

https://shikyoiku.net/7941 

 

著者:きっしー(岸本 好弘)

30年近くにわたりナムコ、コーエーでゲームクリエイターとして人気ゲームを開発。「ファミスタの父」と呼ばれる。6年間、東京工科大学メディア学部でゲームデザインやゲーミフィケーションを教える。2019年に一般社団法人 日本ゲーミフィケーション協会 代表賢者Lv98に就任、ゲーミフィケーションの普及に努める。当協会では毎月ゲーミフィケーション講座を開催、詳細は下記に。

https://www.jgamifa.jp/activities