【川山 竜二】リカレント教育時代を牽引する人材育成―実務家教員・組織学習・教育構想

学びと不可分な生涯

リカレント教育という言葉に馴染みがなくても、「社会人の学び直し」といえば聞き覚えのある言葉でないだろうか。今日のような変化の目まぐるしい社会にあっては、学校教育を修了した後も学び直しが必要というわけだ。

これまでは、学校教育が終われば(およそ20歳代前半)、本格的な学びから開放されると思ったことは誰もがあるだろう。しかし、これからは生涯に渡って学びがパートナーとなる。

 

学び需要の高まり―リカレント教育の担い手

COVID-19により働き方や学び方も変わってくる。ライフスタイルが変われば学びの需要も変わる。これまでのように、学びの場面が学校教育だけに限定されることはない。これからは生涯に渡り学びが必要となる。となれば、リカレント教育の担い手が質・量ともに必要となってくるというのは自然の流れである。社会や産業、生活様式の変化に応じて、学ぶ内容も多様となってくる。すなわち、学校で習うような教科・科目を越えた学習内容を提供する“教える”担い手が必要になってくる。いわゆる学校教員だけがリカレント教育の担い手ではない。多様な人が“教える”担い手になる必要がある。

リカレント教育や学び需要に必要なものは、“教える”担い手だけではない。先にも述べたように、自分自身のキャリアと向き合った学び直しが必要だが、なかなか自分自身でも何をしたらよいか整理できないこともある。そのためには、リカレント教育のコーディネーターが必要になるだろう。コーディネートは学ぶ側だけの仕事でなく、リカレント教育プログラムの適切な設計や提供方法などを助言する人材も必要になる。

 

実務家教員

これから必要となるリカレント教育人材で、やはり最初に挙げなければならないのは実務家教員である。ここでの実務家教員は、もちろん大学などの高等教育機関で教鞭を執ることも含まれているが、広くリカレント教育を“教える”担い手を指している。当然のことだが、ただ単純に指導をすればよいというものではない。学校教育の現場でも、セミナー、研修であれ「質の高い学び」を提供できなければ学び直しの意味がない。主体的で深い学びを実現するために、何を教えるのか「授業設計」を組み立てて、適切な指導方法を用いて授業やセミナーを運営する人材がこれから必須となると考えている。

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