【大矢 純】3月 新年度を迎えたら

前回までの3ヶ月で「学習する空間づくり」をお伝えしてきました。

これは授業学の基礎ですので、前回までの3ヶ月分をまだ読んでいらっしゃらない方は、先に読んでいただくとこの後を読む上で効果的です。

今月は新年度を迎えるにあたり、初めての児童生徒や保護者に対してどうすればプラスの印象を与えられるのかをお伝えします。初任者や新任講師には特に大切な内容です。管理職の先生から初任者や新任講師の先生にお読みいただくよう、お声がけください。もちろん、経験を積んだ先生も新年度を迎えるにあたっての確認としてご活用いただける内容です。

 

教師としてのプロフェッショナルとは?

「プロフェッショナルとは?」一言で表してみてください。特に真面目な教師ほど、4月から教壇に立つ時に児童生徒や保護者からも教えてもらってどんどん学んでいこうと言う人が多いのです。

これは学校や塾という「組織の中」で見ればとても素晴らしいことです。ですから学校内あるいは塾内での自己紹介では、これはとても大切なことです。しかし児童生徒の前や保護者の前では、これはマイナスなのです。

児童生徒は保護者が払った月謝(公立なら住民の税金)で授業を受けるのです。ということは、児童生徒や保護者の前ではプロフェッショナルとしてそれに見合う何らかの価値を期待しているのです。皆さんの成長のために月謝を払っているわけではないのです。

もちろん経験が浅ければ、分からないことや知らないことも多いと思います。しかしそんな中でも、自信を持って出せるものを作らなければなりません。それで満足させられなければ、給料をいただく資格はないということです。ただ、すべて一人でやれということではありません。そのために学校や塾という、皆さんをバックアップしてくれる組織があるのです。組織の中で少しずつ学んで、学んだことに自信を持ち、児童生徒や保護者にはプロフェッショナルとしてしっかりとした対応ができる。分からないことや知らないことに出くわしたら、若干の時間をいただいて組織として対応することが大切なのです。

さて、初任者や新任講師だからこその強みとは何でしょう?

確かに今、知識や経験が少ないことは否定できません。しかし、児童生徒に近い若さ、そこから生まれる思考やパワーは、初任者や新任講師の一番の売りなのではないでしょうか。

まずは学級開きや年度最初の保護者会で、これらをしっかりと伝えましょう。

その時にどういう伝え方をするのかも重要です。笑顔で大きな声で、明るく元気にです。

これがしっかりできれば、1年目から『児童生徒との縦の近い関係づくり』がしっかりとできるのです。

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大矢 純(おおや  じゅん)

授業学研究所 所長

株式会社授業学研究所代表取締役。1966年岐阜県生まれ、東京都育ち。数学の授業や教員育成などの経験をもとに、生徒のやる気を引き出すノウハウを体系化した授業学を提唱。
2009年に授業学研究所を設立し、未来の日本を担う子どもたちのために、授 業学の確立と普及を行っている。
全国の教育委員会、日本私学教育研究所、東京・神奈川・兵庫などの私立中高協会や連合会を始め、各地の学校で研修や講演、コンサルティングを行うなど、活躍の幅を広げ5月よりオンライン講座も開講している。

▼『大矢 純』の過去記事を読む

【2020/1月】教師のやる気を表現するための方策

【2020/11月】理想的な授業空間をデザインすることの重要性

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