編集主幹のダーツの旅

本紙編集主幹 千葉 誠一(ちば せいいち)

本紙編集主幹の千葉誠一が地域ごとの私塾事情を探るため、ダーツが刺さった地域へ赴く新連載!各地域で活躍を続ける塾や、珍しい取り組みを行っている塾などに取材を敢行。ローカルな運営法の中に、塾で生かせるヒントがある!?

いろんな塾のいろんなイマが見えてくる

【私塾リアル】Vol43 自分の進む道を 自分で選ぶ姿勢を育む

月間ユニークユーザー250万人と言われる「Clear」のノート共有アプリは、どうして生まれたのか?それを生み出した新井豪一郎とは何者なのか?コロナ禍で注目されるアプリが増えている中で、特に「Clear」は独特の存在価値を放っている。生徒や指導者に支持される背景や要因も含めて、新井氏に取材した。

 

  

株式会社CLEAR
新井豪一郎(あらい・ごういちろう)社長 

ユニークユーザー250万人のアプリ

千葉 学習サービス「Clear」の特色と効果について教えてください。

新井 ノート共有のアプリなのですが、月間ユニークユーザーは250万人います。主として中高生ですが、指導者の解説ノートもあります。たとえば、塾の指導者の解説ノートを見て「凄いな」と思えば、塾に行かなくてもその塾の良さを体験できると言えるのかもしれません。

千葉 塾の指導者のクオリティがノートを見て理解できる生徒主体の塾選びということですね?

新井 まさにその通りです。このようにして生徒本人が 通う塾を決めた方が勉強のモチベーションが上がり、塾の定着率も高くなるのではないでしょうか。

 

MEETSは生徒と塾をつなぐ接点

千葉 Clearを活用した生徒募集ツール「MEETS」の特色について教えてください。

新井 端的に言いますと「適切な塾との出会いの場」と いうことでしょうか。Clearを活用し、学習塾や予備校の生徒募集サービスを支援します。中高生のエンドユーザー250万人がベースになっていますので、その生徒たちと各地の塾との出会い、前述したような、塾の指導者の解説ノートを見て塾を決めるとか、適正な価格設定のもとに生徒募集ツールとして活用していただき、生徒と塾をつなぐ接点にClearがなれれば良いと考えています。

 

Clearはインスタグラムのノート版

千葉 江戸時代の寺子屋では、年長者が年少者を教えることで先生の負担を軽減しつつ学習効果を高めていたと言われていますが、Clearの原点にもそういった狙いがありますか?

新井 私は大学時代、体育会空手部で稽古に明け暮れ、卒業後NTTに入社しましたが、慶應大学のビジネススクールで経営学を学びなおしてMBAを取得しました。独立起業を前提に外資系コンサルティング会社で三年間修行を積み、星野リゾートのお仕事に関わることになりました。未就学児向けの教育事業を手がけたくて星野リゾートと投資ファンドの共同出資会社の取締役に就任したのですが、北海道トマムの新しいスキーコースでスノーボードの事故に遭い、肋骨を3本折ったまま東京に戻りました。

千葉 飛行機で東京に戻ってから病院に行ったのですか?

新井 はいそうです。医者から「よく生きて帰れたな」と言われました(笑)。そう言われてはじめて死を意識しましたが、「念願だった教育事業をやらないで死ぬわけにはいかない」と思い、志を胸に秘めつつ療養し、回復後、この会社を立ち上げました(当時の社名は「アルクテラス株式会社」)。学習塾を対象とした教育とITのサービスを開発していたので、学習塾のことをしっかり理解しようと東京都の大田区に一対二の個別指導塾を開業しました。

千葉 その塾でノート共有の実証実験をされたのですね?

新井 はい。塾の生徒たちから「家で勉強できない」という声を聞き、それを解決できるサービスとしてノート共有アプリを考えだしたのです。学生にとって教科書や参考書はわかりにくいけれど、それを理解しようとして生徒が書いたノートはとても参考になります。公開されたノートが40万冊、200万頁あり、教科別や単元別に閲覧が可能です。時に生徒同士が教え合うというスタイルもプラスになっていると思います。インスタグラムのノート版のような感じですね。

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