【大矢 純】主体性を引き出す発問の方法

先月は主体性を引き出す授業の始め方をお伝えしました。

教室の入り方や挨拶の徹底、出欠確認といったごく当たり前のことをきちんと意味を持って行うことで、児童・生徒の主体性の引き出し加減が大きく変わることがお分かりいただけたと思います。

さて、挨拶が終わって授業が始まり、本題に入ったとします。授業効果を高めるためには、いわゆるアクティブラーニングが有効です。児童・生徒全員がしっかりと考え、アウトプットする行動によって学習効果を高めます。

ただ、昨今アクティブラーニングといえばペアワークやグループワーク、調べ学習というイメージが強くなってきている気がします。あまり意識していない方が多いのですが、実は発問がアクティブラーニングの第一段階なのです。

発問なしでは一方的に教師が話すだけになってしまうので、できるだけ発問を入れようとしている方は多いと思いますが、その方法次第でアクティブラーニングの1つの有効な手段になり得ます。

今回は主体的・対話的で深い学びのために発問について考え、その具体的な方法をお伝えします。

 

発問は何のためにするのか

普段何気なく行っている発問ですが、その意味合いと効果をその時々でしっかり考えて行っているケースは少ないものです。授業後に「その発問の意図は何ですか?」と尋ねると、特に考えていなかったという返答が多いのです。

クラスの状況を把握するための発問や児童・生徒個々の状況を把握するための発問に偏っていませんか?座席順に答えさせてばかりではありませんか?

クラスの全員が思い出したり考えたり悩んだり、そのような状況を意図して作っていますか?発問の本当の効果はここにあるのです。これを有効活用するだけで、時間を必要とするペアワークやグループワークを多用せずとも、授業効果を上げることができるのです。

さて、発問について少し掘り下げましょう。発問のレベルは次の5段階に分けられます。

1.聞いているかを確認する

2.理解できたかを確認する

3.覚えているかを確認する

4.身についているかを確認する

5.深く考えているかを確認する

1や2といった始めの方は教師の都合で行う発問、4や5といった終わりの方は児童・生徒のための発問です。

この発問の段階を考え、適材適所の発問を行うことが大切です。それにより、教師の都合で発問を行うだけでなく、児童・生徒の脳を動かし深く考えさせる発問を効果的に行うことができるのです。

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大矢 純(おおや  じゅん)

授業学研究所 所長

株式会社授業学研究所代表取締役。1966年岐阜県生まれ、東京都育ち。数学の授業や教員育成などの経験をもとに、生徒のやる気を引き出すノウハウを体系化した授業学を提唱。
2009年に授業学研究所を設立し、未来の日本を担う子どもたちのために、授 業学の確立と普及を行っている。
全国の教育委員会、日本私学教育研究所、東京・神奈川・兵庫などの私立中高協会や連合会を始め、各地の学校で研修や講演、コンサルティングを行うなど、活躍の幅を広げ5月よりオンライン講座も開講している。

▼『大矢 純』の過去記事を読む

【2020/4月】主体性を引き出す授業の始めかた

【2020/3 月】3月 新年度を迎えたら

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