編集主幹のダーツの旅

本紙編集主幹 千葉 誠一(ちば せいいち)

本紙編集主幹の千葉誠一が地域ごとの私塾事情を探るため、ダーツが刺さった地域へ赴く新連載!各地域で活躍を続ける塾や、珍しい取り組みを行っている塾などに取材を敢行。ローカルな運営法の中に、塾で生かせるヒントがある!?

私塾のトップに聞く:小嶋 隆 代表取締役社長【日能研関東】 神奈川県

【日能研関東】未来を創る子どもたちを預かる進学塾としての使命とは?

東京・神奈川・埼玉に41教室を展開している日能研関東は、コロナ禍にもかかわらず安定した業績を維持し、指導内容の充実を図りつつ、合格実績も伸びている。その要因と背景などを中心に小嶋隆社長に取材した。

小嶋社長

生徒数が右肩上がりの要因とは?

千葉 最新の生徒数と教室数、正社員数、売上、利益などについて教えてください。

小嶋 生徒数は4学年の合計が約13,000名、これは前年比約800名増です。
教室は東京・神奈川・埼玉に41教室、正社員数は263名になります。
ちょうど前期決算(4月末決算)が終わったところですが、売上高90億円、経常利益が11億円を見込んでいます。

千葉 今回何か特筆すべきことはありましたか?

小嶋 おかげさまで生徒数が右肩上がりの状況で、その要因を分析しています。
あくまでも仮説ですが、コロナ禍になって私学に対する注目度が増しており、そのため当社の生徒数も合格実績も伸びているのではないでしょうか。

千葉 他に何か考えられることはありますか?

小嶋 私自身が私立中高経験者ですが、同じような世代の親が首都圏に増えてきています。
親は当然子どもの教育を考えた時に、自分の経験をもとに私立中学受験について判断すると思います。

千葉 そうしますと、今後もマーケット的に拡大していく傾向にあるということですね?

小嶋 そうだといいのですが、私学の知名度は限られており、Webや動画なども使って啓蒙活動(草の根運動)を続けていく必要があります。
先日、関西の私学の先生方に、首都圏にある早稲田大学の付属・系列校について聞いてみたところ、早稲田中・早稲田実業・早稲田高等学院・早稲田本庄の4つを答えられた方は全体の三分の一にすぎませんでした。
この業界におられる方々ですら三分の一ですから、一般の方の認知度は推して知るべしです。

そこで、私は少しでもみなさんに私学のことを知ってもらうために、2つの試みをはじめました。
一つは小嶋隆オフィシャルInstagram。私学のあまり知られていない、だけれども面白い特色について紹介しています。
もう一つは、日能研関東公式YouTubeチャンネル。こちらでは私学の校長先生のこれまでの経歴にスポットを当てたインタビューをお届けし、私学の知名度を高める努力をしています。

 

リアル(対面)メインは今後も変わらない

千葉 業界ではリアル(対面)とオンラインの「二刀流」がスタンダードになっていますが、今後の指導システムや教材、模試、保護者会などのイベントについて変更や新しい取り組みはありますか?

小嶋 オンラインのメリットは複数ありますが、配布物をどうするかなど、もどかしい部分もあります。
今回日能研関東では、講師が映像授業を撮影したりオンライン授業をしたりするためのスタジオを首都圏に数カ所作りました。
小学生が相手の日能研ではリアルメインという主軸は変わりませんが、資格試験などは今後もオンラインで良いのかもしれませんね。
教育のさまざまなシーンによって映像授業やオンライン、そしてリアルを使い分けしていけばよいのだと考えます。

 

全国の日能研のビデオ授業を共有

千葉 コロナ禍の中で何か大きな変化はありましたか?
また、感染防止対策やオンライン授業などについて教えてください。

小嶋 対面授業の他に、オンライン授業と映像授業を開始したことが大きな変化です。
これにより生徒や保護者にとっては選択肢が増え、地域の感染状況によってどのコンテンツで授業を受けるかを選べるようになりました。ちなみにこれによる値上げは行っていません。

また、定期的なテストも、教室での受験と自宅受験が選べる形としています。

千葉 全国の日能研の授業をオンラインや映像ビデオで共有できるのは色々な災害対策でも活用できますね。
では教室で行っている感染対策について教えてください。

小嶋 感染防止対策については、次の通りです。
・教室スタッフ、講師、アルバイト等、教室に勤務する職員は、
 出勤前に自宅での検温を必ず行い、出勤時・業務中については、
 マスク・マウスシールドの着用をしている。
 なお、発熱、体調不良等がみられる場合は、出勤を控えさせている。
・生徒への手洗い励行、体温記録表の管理を実施。
・30分に1回程度の扉開放による教室換気を実施。
 なお、教室内の換気扇については常時稼働。
・教室における環境設備等を、次亜塩素酸水やアルコールにて除菌。
・常時空間除菌機器、加湿器を稼動して、乾燥防止と空気清浄に尽力。
・入口のドアノブ、トイレのドアや蛇口、自動販売機のボタンなど、
 生徒達がよく触れる場所は定期的に除菌。
 机を次亜塩素酸水やアルコールにて拭き掃除。
・入口には、検温器と手指消毒剤を設置。
・黙食の推奨。机にはパーテーションを設置。

コロナ禍でも対面での指導を望んでいる生徒や保護者が多いため、可能な限りの対策は行おうと思っています。

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