【大村 伸介】無意識に光を当てると

今夏も各地で教職員の皆様への研修をさせていただきました。
7月の1か月だけでも計22回、実に1,314名の先生方との出会いがありました!
これは同時に、1,314名の先生方が教育コーチングに新たに触れられたということになります。本当にうれしい限りです。

初めて教育コーチングを学ばれる先生方が多い研修ですので、傾聴、質問、承認といった教育コーチングの根幹となるスキルをお伝えしているわけですが、研修でも申し上げましたように、これはほんの一部に過ぎません。
教育コーチングには様々なスキルがあり、実に奥が深いのです。

そんなことを感じ取っていただいてか、複数回に渡るシリーズとして教育コーチングの研修を導入してくださっている学校や法人も多くなりました。
1年間で3回というパターンもあれば、2年間で4回、あるいは1年おきに3回なので実に6年がかりで長いお付き合いをさせていただいている学校もあります。
中には集中的に学びたいということで、2か月おきに1回、計12回を2年がかりで、という学校もあります。

 

広大な無意識

ここ数号、無意識ということについて取り上げていますが、この無意識に光を当てることが教育コーチングの役割といっても過言ではありません。

私たちは通常、自分が何を感じ、何を考え、どんな行動をしているのかをちゃんと自覚していると思っています。
つまり、自分の心を掌握し、コントロールできていると思っているのです。
ところが実際は違います。人の心は、「意識」の層と「無意識」の層から成り立っています。
無意識の層は広大で、心全体の95%を占めていると言われています。自分で認識できている心の領域はわずか5%だということです。

無意識の領域には、様々な体験記憶・信じ込み・感情などが存在しますが、それらは眠っているわけではなく活発に働いています。
理由や根拠のない不快感を生じたとか、「つい言ってしまった」「ついやってしまった」といった経験が誰にでもありますが、それらが無意識にあるものの働きです。

その働きは、意識が届かないゆえに、コントロールすることができません。実にやっかいですね。
無意識にあるものが知らず知らずに働いてしまって、やろうとしていることの邪魔をする。
逆に、無意識にあるものをうまく使えばやろうとしていることを実現できるのに、その存在を知らないから使えない・・・これが私たちの日常なのです。

一生懸命考えて努力しても解決しない、答えが出ない、そんな時に、教育コーチングを柱としたセッションを受けることによってふっと答えが出てくることがあります。
なぜなのか?無意識の層にあるものに意識の光が当たるからです。

これを「気付き」と言います。意識にある情報、見えている情報だけで物事の解決を図ろうとするのは単なる「相談」です。
相手としっかり向き合い、安心感の中で会話をすることによって、相手の無意識層の蓋が開き、意識の光が差し込んで、見えなかった答えが見えてくる・・・これが教育コーチングの醍醐味です。

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大村 伸介(おおむら しんすけ)

株式会社成基総研 コーチング室 室長


集団指導塾を経て、2004年株式会社成基入社。

教室長、エリアマネージャー、本部長補佐、副本部長を歴任。

現在は、教育コーチング、パパママコーチングセミナーのトップ講師として教職員研修、保護者講演会等で全国を飛び回る。

日本青少年育成協会認定上級教育コーチ・認定A級トレーナー、主任研究員。

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