【大村 伸介】無意識に光を当てる質問

今夏も各地で教職員の皆様、保護者の方への研修・講演会をさせていただきました。
この7月、8月の2か月で計36回、実に2,008名の方と出会いがありました!
これは同時に、2,008名の方が教育コーチングに新たに触れられたということになります。
本当にうれしい限りです。

前号でもお伝えした通り、初めて教育コーチングを学ばれる方が多い研修ですので、傾聴・質問・承認といった教育コーチングの根幹となるスキルをお伝えしているわけですが、研修でも申し上げましたように、これはほんの一部に過ぎません。
教育コーチングには様々なスキルがあり、実に奥が深いのです。
そんなことを感じ取っていただいてか、中にはさらに学びを深めたいという想いで、一般社団法人日本青少年育成協会が主催する教育コーチ養成講座Ectpを早速受講いただいている先生や保護者の方もおられます。

教育コーチ養成講座Ectp
https://www.jyda.jp/coaching/course/

 

分かっちゃいるけど…

ここ数号、無意識をいうことについて取り上げていますが、この無意識に光を当てることが教育コーチングの役割といっても過言ではありません。

人間は思考する動物です。常に「何をするべきか」「どうするべきか」を考えています。

そして「する」「しない」の判断は、「正しい(と評価してくれる)かどうか」「リスクが小さいかどうか」「実現の可能性が高いかどうか」「利益が得られるかどうか」、すなわち得られる成果と照らし合わせて行っています。

勉強に身が入らず、ついつい遊んでしまう受験生に対するコーチングを考えてみましょう。

コーチ「今、何をするべき時だと思う?」
生徒「勉強です」
コーチ「そうか、勉強か。合格のためにどのくらいの勉強が必要だろう?」
生徒「1日3時間以上はやらなきゃ・・・」
コーチ「なるほど、1日3時間か」
生徒「はい」
コーチ「もし、毎日3時間ずつ勉強したら、受験ではどういう結果が出るだろう?」
生徒「たぶん、合格するはずです」
コーチ「そうか。いつから勉強に取り掛かるべきだと思う?」
生徒「今晩から頑張ります」
コーチ「明確に宣言してくれてうれしいよ。応援しているよ」
となったとしましょう。
傾聴・質問・承認がきちんとできており、何の間違いも問題も無い教育コーチングです。

ところが、これで生徒が勉強という行動を起こすかというとはなはだ疑問です。
多くの先生は「そう簡単にはいかない」と言うでしょう。
まさにその通りで、生徒の行動変化は期待できません。
「勉強するべきだ」という答えを生徒自らが出したにもかかわらず、行動が伴わず、またついつい遊んでしまうのです。

どうしてでしょう。

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大村 伸介(おおむら しんすけ)

株式会社成基総研 コーチング室 室長


集団指導塾を経て、2004年株式会社成基入社。

教室長、エリアマネージャー、本部長補佐、副本部長を歴任。

現在は、教育コーチング、パパママコーチングセミナーのトップ講師として教職員研修、保護者講演会等で全国を飛び回る。

日本青少年育成協会認定上級教育コーチ・認定A級トレーナー、主任研究員。

ohmura
▼『アクティブラーニング』の過去記事を読む

【2021/9月】無意識に光を当てると

【2021/7・8 月】“無自覚”を“自覚”する

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