【特別対談企画】総合教育企業株式会社ウィザス代表・生駒 富男×第一学院高等学校のプロジェクト型授業講師・村尾 隆介

“これからの時代、どんな人材が求められるのか、送り出すべきか“。また、そのために必要なことは何か。
総合教育企業株式会社ウィザス代表取締役社長生駒 富男氏(以下、生駒氏)と
中小企業コンサルタント・第一学院高等学校のプロジェクト型授業を行っている村尾氏に話を伺ってみた。

 

新時代に求められる力、それを育てる責任

司会者 目まぐるしく変化する社会の中で、これまでの知識習得・伝達型の学習や社員教育では成り立たない状況になってきています。
お二人の考える、これから活躍できる大人像、そしてそんな大人を輩出するためにどのようなシフトを考えているか、お聞かせください。

生駒 先生が知識を教え・管理し・評価するという方法から、今はアクティブラーニングの手法で、自ら考えて解決することを軸にした教育への転換を進めています。
通信制の高校である第一学院高等学校もその方向で取り組んでいますね。
もちろん知識を得るという基本はとてもは大事ですが、これからはそれをどう活かすのか、どう協働して解決に導くのかということが求められています。
私達は、子どもたちが自ら主体的に考えて行動していける力を育める教育を進めていきたいと考えています。

村尾 知識はWikipediaを見れば全部出ていること、なんて言う話がありますよね。
しかし知識はないよりあった方がいいし、年号などの詳細な知識を活用する機会は少ないと思いますが、例えば「いつの時代に起こったことか」といった知識は絶対あった方がいいと思います。
なぜかというと知識と知識を結びつけて応用して答えを出すということは、経営でもそうですが、社会で働く中では求められることだからです。
ゼロから調べるよりも、持っているベースと今起こっていることを結びつける、こういう力がこれから、物凄く求められてくるんじゃないかと思っています。
知識の重要性は下がってきているとは思いますが、その分覚えないとならないボキャブラリーは増えていると感じますね。
ボキャブラリーの意味や知識を自分の中に蓄えて、それを応用していくことが求められているんです。
ただこれは進歩に逆行している部分もあって、企業経営の世界もそうですけど、スマートフォンが邪魔している部分もすごくあるな、と思うんですよね。
スマートフォンで自分の興味あるものをクリックすると、機械がどんどん学習していって、その物事にしかニュースフィードが行われなくなります。
そうすると、世界と繋がっているはずのスマートフォンが、すごく狭い「自分の興味の範囲」にしか導いてくれなくなることがあるんです。
こういった事態は自分で気をつけないとならないことで、対策するのはとてもハードになってきていると思います。
サッカー好きな経営者がサッカーニュースしか見ないようになっちゃうみたいな。
幅を広くという意味ではSDGsみたいなことを軸に、興味を広げてもらうとすごく嬉しいなと思います。

 

教育の現場から、多様性を受容する心を育むために

司会者 協働して成し遂げていく「多様性の受容」が叫ばれる一方、価値観が画一化された集団ができて、それが他を受け入れない・攻撃する…そんな状況も出てきています。
その点、教育の現場の中で何か心がけていらっしゃることはありますか。

生駒 グループになると、自分はこう思うと、でも人はこう思う……というように、個々の違いが出てきます。
ここで重要なのが、答えを決めずに“違いを学ぶ”ことだと思いますね。
学校も今までは、「先生がこうだって言ったらそれが答えになる」という風潮があったと思いますが、これからは協働学習をどんどん進める必要があります。
我々でいうと、高校のほかにも学習塾や日本語学校など様々展開していますが、高校と同様にこの協働の場面を作っていきたいと考えています。

司会者 村尾さんも経営コンサルタントとして、経営者の方々と取り組んでいらっしゃることはありますか?

村尾 私は、小学校以降ほとんどの教育を海外で受けていて、“相手の立場に立って考える“ということを経験してきました。
特にアメリカでは多民族国家であるというのと、経済格差も日本の比じゃないぐらいある中で、教育の中にそういった振る舞いを経験する機会が組み込まれています。
例えばディスカッションをしていても、ちょっと席替えをして別の席の人の立場になって、今度は意見をしてみよう、とか。
これは高校野球でも行われていることですよね。
シーズン前にまず自分のポジションじゃないところで練習をして、普段三塁を守っている選手は一塁手の気持ちになってみよう、みたいな。
ポジションチェンジを体験して相手の立場に立つ、ということによく取り組むんですよ。
これがとても面白いなって。
今、私が第一学院で教えているときは、ディベートという形でグループに分かれ、そのトピックに賛成だろうが反対だろうが、双方の意見で語ってもらい、相手の立場を体感してもらっています。
私は全く同じことを企業でもやっているんです。席替えをして、ちょっと現場の立場になって今度は発言してみましょうね、といったことを。
社長の椅子に座って、社長の立場で考えてみましょう、とか。
“練習“と言ったら語弊がありますけれど、何か余裕を持って相手の立場に立つということを、言葉だけではなく、体験してはじめて理解できる、ということです。

生駒 私がちょうど校長くらいだった時かな。
研修自体が体験型で、相手の立場に立ってディベートをやったことがあります。
そういうのと同じですよね。
そうすると普段のビジネス上の考えや自分の発信との違いがわかって、良い気づきがありました。
その経験から、体験型の研修を新入社員から幹部研修までやっています。
アメリカではたしか、40年ぐらい前からアクティブラーニングを実施していたと思いますが、今やっと日本でもそれが必要とされている状況ですよね。
私も実際に現場を見て、そこで感じたのは「本当は先生たちもこう指導をしたいんだよな」という想いでした。
現実にギャップがあって、この期間までに受験指導をやって高校受験等の準備をしなければいけない、といったカリキュラムが決まっています。
そして、そこまで進めないと受験に間に合わないとか、保護者から問い合わせが来てしまうという、そういった現場の難しさを痛感したことを覚えています。

村尾 確かに変換期というか、ジレンマが現場の方には見受けられますよね。

 

対面とオンラインのハイブリッド、これからの教育のあり方とは

司会者 難しい質問なのかもしれませんが、今、オンラインを活用せざるを得ない状況もかなり増えてきました。
今までは対面の中で同じ空気を吸いながらオフラインで行っていたこと、これは大切にするところがあると思いますが、オンラインでPCの向こうの生徒もしくはクライアントの経営者の方々に「伝える」ということに関して、対面であろうが画面越しであろうが、向こう側も伝えたい気持ちは同じだと思います。
今オンラインとオフラインの手段が交錯する中で、どのようなことを心がけていらっしゃいますか。

村尾 このような時代になることはすでに予測されていたことですね。
ネットの発達により、おのずと教育の現場も、オフライン・オンラインのデュアル時代というものを経て、オンラインだけに変わっていくということも、20年ぐらい前のコンサルレポートから未来予測として出されていいました。
25年前に読んだ、「22世紀から見た世界の振り返り」みたいなレポートにも、「学校って何?」というところから始まるものがあったんですね。
22世紀に「学校」はなくなっています、もう全てオンライン上にあって、学級とかも存在しませんよ、って。
今回コロナ禍という、半ば強制ボタンが押されて、日本の教育・ビジネスはオンラインが当然、という流れになってきましたが、正直この変化は遅すぎるくらいで、この後コロナが終息したとしても、オフラインに戻る部分・オンラインに移行する部分、または選択肢としてオン・オフどちらにしますか?なんていう風潮になってくるんじゃないかなあと思っています。
私も個人的には早く「IT優位時代よ終われ!」と思っているんですけど、終わるわけではないので、こちらが慣れていくしかないですね。
例えば雰囲気とかをつくるのは、カメラに向かってはやりにくい。でもカメラの向こう側にいるのを想像してできるようにやっていかなければいけないし、パワーポイントの資料も、スマホで見る生徒がいるとしたら、文字の大きさとか写真の入れ方とかを変えていかなきゃいけない。
でもこれは、今まで教室でやっていたことをそのままやり続けているから、画面に映っている部分しか主張ができなくなった分、不便に感じるんですよ。
このようにやはり教える側・喋る側も、この世界に合わせていろんなことをシフトさせなきゃいけないですね。
まさに時代が変わっているので、自分たちもやっぱり変わらなきゃいけない、っていうところにきてるんだろうなと思います。

生駒 教育で言いましたら、やっぱり学ぶ側(生徒)が主体なので、生徒が主体で学ぶということに関しては、オンもオフも変わらないですね。
今までリアルでやっていた授業が、例えば画面を通じて学ぶということに関して違いがあるとすれば、リアルでしかできない学び方と、それからオンラインになって初めて叶った学びと、この2点は今までと違う部分になります。
絶対にリアルでなければ伝わらない雰囲気とか、先生の迫力ある授業・醸し出す熱意・ライバルとの緊張感等は、リアルでないとなかなか難しいかもしれません。
ただしそれ以上にオンラインの場合には、例えば今まで平面に板書していたものが立体で映ったりだとか、それから音や音響の効果とか、やっぱりオンラインならではの今までにないような学びができるので、このプラス面は大きいと思います。やはり大事なのは、リアルな雰囲気が必要なときにはオフラインで学ぶ場を作ればいいし、それ以外はオンラインでやるなど、両方の良さを活かした学びの環境を作ることだと思いますね。
学習意欲が高まるとか、どんな知識を学んで何を吸収したいのか、どういう形が一番やりやすいのか、何を目標にして精査するのかを踏まえて、オンライン・オフライン両方を併用し、うまく活用していったらいいかなと思います。
ウィザスでは1/168を大事にしています。
一週間は168時間です。1週間に生徒と1時間しか会わないとした時に、その1時間をもって残りの167時間にどれだけ学習に対するプラスの影響を与えられる指導をするかが大切だということです。
その点オンライン教育になって、さらに自ら学ぶ促進につながれば1/168は残りの167時間に今まで以上に影響を与えることができるようになるのではないかとも思っています。

村尾 生徒たちが各々Zoomで繋いでいるとき、背景でインコが鳴いていたりとかすると、なんか微笑ましいなって思うし、自分の豆柴を連れてきて授業に参加している姿を見るとね、「そうかあ、動物が好きな子なんだな」とか…やっぱり普段の服装からだけじゃわからない、画面越しの自宅のインフォメーションがとても面白いなって思うし、とても好きな部分ですね。
逆も然りで、先生が自宅でやっていたら、「先生ああいうのが趣味なの?」とか後ろに映りこんでいる物で趣味もばれちゃうとか(笑)。

生駒 先日 学習塾の第一ゼミナールで英語のオンラインイベントがあったんです。
そこにグループ会社の吉香の通訳者と日本語学校を日本で経営しているイギリス人の方の2人が講師として参加しました。
こういうセミナーだと今までは何百人も参加するから会場を借りて、事前の会場設営準備、そして皆さんに来ていただいて…という風に大変だったんですけど、今回ウェビナーということで、簡単に実施でき、また情報として入ってきた内容はその場にいるのと同じくらいの体感でした。
改めてオンラインの良さを実感しました。参加者の数も今までよりかなり増えていたと思います。

村尾 この間、僕はパタゴニアというブランドが主催している社会課題・アメリカの土地問題に関するドキュメント映画を観る企画に参加したんですが、パタゴニア主催で600人限定でした。
集めてみんなでWeb上で同じ映画を観て、その後600人でディスカッションするというのがありました。
講義だけではなく、みんなで同じものを見て語れてという、ある意味で読書会みたいなスタイルでね。どんどん海外では「手段としてのオンライン」が増えてきているなという印象です。
また「教える側もどんどん変えていかなくてはいけない」という話をさっきしましたけど、やっぱりオフラインよりも熱が伝わりにくいので、よりいろんな言葉の強弱とか、生駒氏がおっしゃった語気とか表情とかが、オンラインではとても大事になってきますよね。
僕もちょうど先日、北陸銀行主催でオンラインの講演会90分、スタジオで誰もいないところにカメラがあって、そこに向かってめちゃくちゃ熱弁してきました。
終わったら秘書が一言、「よくあんなカメラの前でしゃべれますよね」って。
ミュージシャンってそうじゃないですか。同じだよね。
ライブでももちろん頑張れば、レコーディングでも頑張る。そういうことを教える側が意識して慣れなきゃいけないなと思います。

司会者 教える側も伝える側も向こう側にいる人を想像して発信しないといけないですよね。
人前でお話することが多いと思いますが、自分らしさが伝わって初めて、オンラインでは伝わりやすくいい反応が返ってくるということがあります。
お二人が大事にしていることで「自分らしく発信する」という点で、拘っていることがあったら教えてください。

村尾 やはりここから上(胸元より上)しか映らないので、ここで喋ってること以外にインフォメーションとして伝えなきゃいけないんですね。
今日だったら株式会社ウィザスのことですから、やっぱりそのコーポレートカラーのオレンジね、やっぱりどっかにこのオレンジの部分が入ってるととてもいいと思う。
また今日は、高校CHARITEENSでのユニフォームのTシャツを着てきました。
「あなたのためにこれを用意しましたよ」って、画面の向こうの人に伝えることって、大事だと思うんです。
僕の授業でもTシャツとか、そうじゃないですか。
今日はこのことを話すからコレ、そして途中で自分の着ているTシャツに触れる、で、生徒たちにインフォメーションする。
そうすると生徒たちも慣れてきて先読みするわけですよね。「今日あの子と話しているから、あのTシャツなんだな」って。
ここ(胸元)をインフォメーションに使うっていうのを心がけています。
朝起きてから服を選ぶじゃなく、もう3日ぐらい前から考えるように。そんな風に生活が変わりました。

生駒 私はオンオフ関係なく、声のトーンを意識していますね。
音の「ドレミ…」の中で、人に好感を持てたり聞きやすいと思われる音は「ソ」だそうです。ちょっと高いかもしれないですが(笑)。

 

司会者 最後の質問ですけれども、これまでもいろいろお伺いしましたが、社会で活躍する人や社会人を支援していく・育んでいく立場として、考えること・今後取り組んでいきたいことを教えてください。

村尾 オンラインとオフラインは50:50の世界では大人がどうあるべきか・企業はどうあるべきか・社会がどうあるべきか、ということだと思います。
言行一致と言いましょうか。
大人たち、特に物を教える立場にいる人たちの言ってることと、そのやってることが一致していることって、とても大事だろうなって思っています。
今回のコロナ禍にもありましたけど、行政政治の方はね、どっか飲みに行かないでくれってお願いをしているのに自分たちはやっているとか、そうするとやっぱりメッセージとしてすごくネガティブなものに受け取られてしまいますよね。
これ、本当に教える立場に立っている人もそうで、すごく立派なこと言っていてもSNSとかで全然違うことをアップして全然違う行動をしていれば、簡単にネット社会で見透かされてしまうし、次世代が冷めて大人たちを見ているのは、そういうところなんだろうなあ、と思ってます。
これは企業経営者もそうです。
政治家の方々ももちろんそうだと思います。全ての働く社会人が、ここは兜の緒を締めて言行一致しようということを、やってかなきゃいけないと思います。
僕もやっぱり職業病で、企業にはビジョンに矛盾がないように、そこの社員も含めて、「ウチの言ってることとはちょっと違うね」なんて、パズルがはまっていないようにしたくないんです。
個のレベルでも、法人のレベルでもやっぱり言行一致で。僕はこれからの社会、それこそ大事なんじゃないかと常々考えていて、日々自分自身がちゃんとそれをできてるように心がけています。
例えばSDGsのこと教えて、ペットボトルをやめようと言ったら、自分も当然タンブラー持参にするし、Tシャツ一つにしてもですね、やっぱりゴミを減らそうという事業をやってるわけだから、オーガニックコットン製にしたり。
そしてこのTシャツ、授業が終わった後はまたリユーズで着まわせるように始めから仕組みを作り上げるようにしています。
こういうことを一つとっても矛盾がないように、という心がけの所以は、こういうところにあります。

生駒 目指す先は?というお話がありましたけど、ウィザスのコーポレートビジョンは「社会で活躍できる人作り」を実現できる最高の教育機関を目指す、というものなんです。
それを我々のコーポレートビジョンにしているわけですけど、社会で活躍できる人って、この社会で活躍できる人ってどういう人たちだろう、と。
事実は一つで、受け止め方は二つ。
雨が降ればそれをいやだなって思うのか、雨が降って今日はよかったなって思えるのか。
ポジティブ・プラスなのかネガティブ・マイナスの二つの受け止め方があって、我々ウィザスはこのプラスの受け止め方をする生徒たちを育んでいきます。
また自分たちもプラスの受け止め方をする自分づくりをしていこうという方針を取っていますね。
そういう意味で社会で活躍できる人達は基本的にネガティブでマイナス思考ではなくて、ポジティブ・プラス思考の人達であり、いろんな厳しい局面にあってもそれを糧にチャレンジしていく人たちであると思います。
弊社のコンセプトブックの中に「脳を快にする5つの要素」というものが記載されているのですが。
最初にプラスに受け止める自分を作っていこう、そしてやはり言葉もできる・できないとか嫌とかじゃなくてできる、いいねとか好きだとかいうプラスの表現そしていこう、という考えがあります。
それからやっぱり我々今は仕事していたりだとか、生活できているのはいろんな方々に支えられている中で、今の自分があるわけで、そういう意味では全てにありがとうと感謝の思いを持つことを大事に、ね。
そして、そういう支えられていることを踏まえてやはりいろんな周りの人たちに貢献していこうという、自分以外を喜ばせる「他喜力」を発揮していこう。
最後はやはり原因は自分にあることを前提として、もっともっと尊敬できる自分づくりをしていこうというものです。「脳を快にする5つの要素」、これを生徒にも教えていきます。

村尾 社長からそういう、ウィザスが大事にしていることをお聞きできてすごくよかったなと思います。
今のその5つの側面、自然と僕の授業でもやっていて、それを社会で活躍できる人づくりだって社長かお考えになっていることだったら、すごくよかったなって思いました。
僕の授業では人は真面目さについて行くのではなくて楽しさについてくる、というテーマのもと、それと社会課題というヘビーなものを授業の中でやっているんです。
ごみの問題をとってもジェンダー問題をとっても明るく楽しくやっていこうと発信している。
生徒たちのプレゼンにも僕は笑いを求めているし、生徒たちもやっぱり、ふんだんにその笑いを盛り込んできます。
この他にいろいろな理由があって、笑いを取ると一つやっぱり気持ち良くなったりして、先ほど社長おっしゃっていたようにどんどんポジティブに捉える人になっていくんです。
お笑い芸人を見て消費するよりも、自分で笑いをとれるようになってほしいし、生徒たちも応えてくれています。
少なくとも中小企業には影響を与えられる立場にいますので、楽しく歯を見せて笑える職場をつくっていこうよ、とはいくらでも言えるんですが。
日本の社会全体が笑って仕事ができるかとか、笑ってプレゼンをしていいとかっていう許容みたいなものを広げてくれる世の中になるといいな、と。
ウィザスが目指している教育や、僕が授業で伝えていることから、そういう人が生まれてきて、社会で活躍してくれるんじゃないかな。ウィザスには受け止める側の会社に進化してほしいなと思います。

生駒 大事なのはどんな状況でも楽しむということだと思います。
どんな厳しい状況でもそれをどう乗り越えていくか、自分が成長する機会だと楽しめるか、自分と対話できるかが大切でそれを楽しむということだと思います。

司会者 実際に厳しい事実とかを突きつけられるような社会にもなってきましたけども、それをプラスに捉えて楽しんで取り組んでいくことが大事だ、というようなところがすごく感じられたコメントです。
ありがとうございます。

では次に、「あなたにとってのプロフェッショナルは?」という趣旨の質問です。
一生学び続けるということについて、お二人が今も学び続けていること、きっとこれからも学び続けるだろうなということを教えてください。

村尾 とても面白い質問だと思います。
僕はこの世界ではまだ若い方なんで、どうしても顧問先になる経営者の方で、年上の方がたくさんいらっしゃいます。
また僕、銀行の顧問とこんなラフな格好で仕事をしていたりします。
僕とは違うすごく堅い真面目な雰囲気になったりはするんですけれど、でも堅さに関わらず、どの世代でも地域に関わらず、やっぱり働くうえで共通して考えているのは、リーダーシップですね。
どうやって自分はリーダーになれるのか、これは世代問わずみんな共通して、いつも悩んでいる。
どんな経営に悩んでんのかなって、僕はよく出張の岐路とかに考えます。
どうやったら人にフェーズできるだろう・人をどうやったらインスパイアできるんだろうって、僕も持てる知識とか経験を全て投入して、こうするといいんじゃないですか、これをやりましょうご意見収集しましょうってやりますよ。
ただこれ同時に僕自身も学ばなきゃならいので、僕も生涯かけて一緒に並走しながらから学びたい。勉強し続けなきゃいけないことはリーダーシップだなって思います。

生駒 私は自分でも思います。
自分の経験も含めて言います。やっぱり正解のプロセスがないですから。
自分のライフライン、みなさんもありますよね。
人生も経営良いときもあれば悪い時もあります。失敗もあります。
あ、ウィザスのコピーでは「失敗はない」だった(笑)。次の成功へのプロセスですね。
私自身いろいろありました。振り返ってみるとよくない時、失敗に終わったときも。そんなことはぜんぜん覚えてないですけどね。(笑)
要は私は自分自身にも転んでいいんだ、失敗していい、ただそれを生かして次につなげていければ。
投げているわけではない、七転び八起き7回転んでも8回目に起き上がる力があればいい。
やっぱりそれで成長していくわけです。
一番ダメなのは怖がってNo play・No error。
Playしないとか、チャレンジしないとか前に進まないとか叫んだり逃げたりするよりも、転んでも何してもいいから前に進む。
そう意味ではやはり7回転んでも8回目は起き上る。こういったものにチャレンジしていくのがこれからも転ぶと思いますが学び続ける部分だと思っています。

村尾 毎回授業でその空気をどう作っていくかっていうことは、その度、実はリーダーシップとは何なのかっていうことを考えながらやっています。
卒業した子たちが今、OG・OBとして手伝ってくれて。やっぱり彼女たちのリーダーシップとか見ているとなんかすごい伝えたかったことをちゃんと実践してくれてとても嬉しいなって思ってます。
このリーダーシップとは何なのかっていう時代ととも変わるし、関わる皆さんのことを本にまとめたいなと考えています。

 

番外編:未来を語る教育雑談

村尾 社長にご質問したいことがあります。
社会課題の一つとして通信制の高校の地位を上げたいと、去年の生徒も今年の生徒も言っているんです。
もちろん僕もそう思っているんですけど。社長ご自身は、そこはどう思われているんですか?

生駒 私は、そこはずっと言っているんですけど、平成17年に日本で初めて株式立の高校を作ったんです。
作ったのは2校目なんですけど、認可されたのは初めてなんですね。
その時から考えていることですが、高校には全日制と通信制と定時制の3つがあります。
学校教育法で昭和の初めのころの法律のままなんですね。実際には定時制高校でも夜だけでなく昼もやっていたり、全日制が通信制をやったり、通信制高校でもキャンパスにお通ってきたりしていて、全日型で運営しています。
ということは今3つの区分があっても実際はもう同じなんですね。分け目がもうないんです。そういう意味では高校は1つでいい。
大事なのは偏差値が高い学校がありますと、それはそれで5教科の評価が高いでもいい。
それには体育がとか英語がとかあるんですがこれがオンラインになって通信でやっても夜でも学んでもいいわけですよね。
そういう意味では高校一つ一つに特徴を持ってやっていけるのがいいと思っていますので、私はシームレスで高校は1つで地位を上げる仕組みが大事だと思っている。
ただ、法律的に株式立は別といわれる現状もある。それは実際に通信制高校が悪いことをやったりしたので規制を強化していかなくてはいけないという流れはまだあります。
私はそういうことよりも一つ一つの高校がどれだけ生徒度に寄与しているか、成長度で勝負をしていったらいいと思っている。
それが5教科の学力でもいい、ほかの5教科の偏差値とは違う物差しをできれば作っていきたいなと思っています。
そういうことではこのCHARITEENSなんかもそこで力を発揮する力がつけばいい。
東大には行けないけど、その経験を生かして伸ばしていけるような内容で行くとか、そう世の中になっていきたいと願っているし、そんな高校にしていきたいです。

村尾 直接お伺いできてすごくよかったです。
僕もその回答は通信制の高校の地位を上げるとかそういうことではなく、通信制高校という言葉がなくなればいいと思っています。

生駒 いや、本当にもう違いがないんですけどね。

村尾 僕はなんか分母にこだわっていきたいなと思っています。
例えば来年、CHARITEENS50人だとしたら、50分の何人がやっぱり活躍入りしているというパーセンテージ、ここで勝負をしていきたいなと思っていて。
僕はそのブランディングについては企業だけじゃなくて、国家ブランディングとか、そういうのはすごくよく考えているんですけれど、どれだけ社会で活躍できるということを考えると、これ人口に対してどれぐらい世界に影響力がある国になれるかどうかを、僕はいつもよく見てるんですね。
例えばスイスは人口でいうと800万人程度しかいません。
でも約800万人の国にしては、世界にすごく影響力を持っているというか、いろんなルールや本部が置かれていたり、安心安全でいろんなブランドいろんな医療機器も充実していて、もうドイツ製・スイス製っていうと、結構日本製の上の感じもする。
その人口を分母にしたときの影響がすごく強いと、結構人口分の、というパーキャピタルですね。
そこにこだわっていきたいなと思っちゃいます。CHARITEENSを経験した子が、すごく活躍していただけるような、社長が言われたようなお考えに貢献できるようになりたいなと思います。

生駒 私からも村尾さんに聞きたいことがあって。
「中小企業と高校生」という形で、活動されていらっしゃいますけど、今後も当面はこの形でいくんですか?

村尾 この後の授業は全部Zoomで繋いで、生徒たちがプレゼンする日なんです。2本ある授業の後半の方はゲスト講師を呼んでいて、ゲスト講師はだいたい中小企業の社長さんです。
今日は教育環境調査の会社の社長さんが登壇するんですけど、僕の一つの強みといえば、全国の中小企業経営者をいっぱい知っているっていうところになるので、この人脈を活用しながら、生徒たちに活躍するチャンスを与えたいですし、彼らも大人のサンプルが見られる…ここはこれからもやっていきたいです。

生駒 私もこれまでの日本の教育・学校で習うことは、学校だけの積み上げフォーマットだったと思います。
これからは、社会からの逆算の教育も本来社会に出る上で必要だと思います。
社会に出たとき、学んできたことが基礎となるような学校教育が必要ですね。
今、コミュニティ共育っていう形で第一学院も外に出て、地域全体を学校と捉えて、多くの方々と接して学んでいますが、このことを通じて、仕事のやりがいとかも知ってほしいです。
そして自分の将来に興味・関心を持ち、意欲的になってくれたら最高ですね。
卒業してからキャリアを知って、というのは遅いんじゃないかなと思いますけどね。
やっぱり興味があっても、どうやってその職業に就くんだろう、っていうことを考えることが大事です。

村尾 そうですね。親御さんもわからなかったりしますし、多様化もしてるので。例えばゲームクリエイターになりたいって言ったら、親御さんもこの後どうしたらいいのかわからなくなったりもしますよね。
僕がそこが、なんとなく手助けできるところかなって思っています。
去年も広島キャンパスの生徒で商品プロデュースを手掛けたわけですけど、そこでやっぱりその商品は雑貨って面白いなって思って、そこから輸入できる人になりたいと今年の4月から福岡の大学に進学して貿易を学び、メインで少なからずアパレルブランド自分の立ち上げた卒業生もいます。
このSDGs教育では、NPOやNGOとか仕事に就きたいっていう子がちょっと増えてくれたらいいなとも思いますね。それで、いつか国連の職員になりたいという子が出てきたらいいなと思っています。

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