【小林 尚】2022年度入試 共通テストの振り返り
今年も受験シーズンを迎え、本原稿が公開されている頃には受験生の方の進路がおおよそ決まってくる時期だと思います。
昨年につづき、新型コロナウィルス感染予防を徹底した上で臨むことになり、受験生は心身ともに気の抜けない日々を送っていたと思います。
同時にさまざまな形で受験生をサポートをされている先生方の姿を想像します。
今回は、先日行われた共通テストの英語・国語・数学の3教科を中心に、私なりに総括をしたいと思います。
個別の問題の細かな解説などは各専門科目の先生方の見立て、ないし予備校が公開しているものがありますので、どちらかといえば「今後の学習の指針」のヒントになるようなコメントができればと思います。
もちろんあくまで私の一意見ですので教育業界に数多ある意見の1つとして参考にしていただければ幸いです。
まず全体としては、易化より難化の問題が多かった年という印象です。
各予備校でもそのような評価がされており、個人的にもこれまでのセンター試験の延長で共通テストを捉えることは困難になってきていると感じます。
もちろんセンター試験には良問も多く、演習材料として優れている点は否定しませんが、「共通テスト対策」としてセンター試験の過去問に取り組むだけではもはや不十分な時代がきていると言っても差し支えないでしょう。
それでは、ここからは各教科について解説していきましょう。
英語
形式としては大きく変わらず、難易度も昨年並みといえます。
予備校の見立てもおおよそ「昨年並み」となっています。
東進ハイスクールのコメントを引用すると、
「イラストやグラフ、表が多数使用されており、単に英語を聞き取ることができればよい訳ではなく、目的に応じた思考力・判断力が問われる内容になっている。」
としており、やはり昨年度入試の傾向が今年も健在であったことが伺えます。
ただし昨年度入試の出題形式を踏襲している以上、変化に対応して予想問題集や新形式に合わせた演習で訓練を積んでいた受験生が多かったと思います。
その分、難易度はあまり変わらないものの、(執筆時点では)多少平均点が上がることを各予備校も予想しています。
個人的には、文章のボリュームがあり、訓練していないと解けない形式ではあるため、大幅な平均点の上昇はないだろうと見ています。
内容的には、これまで以上にTOEICに似たような出題だったと思います。
また単純に文章が2つある形式ではなく、ベースの文章とサマリーの文章(まとめ)を組み合わせた出題もありました。
これは英語の読解力のみならず、英語を運用して調べ学習などに取り組んでほしいという出題者の意図が見受けられたように思います。