編集主幹のダーツの旅

本紙編集主幹 千葉 誠一(ちば せいいち)

本紙編集主幹の千葉誠一が地域ごとの私塾事情を探るため、ダーツが刺さった地域へ赴く新連載!各地域で活躍を続ける塾や、珍しい取り組みを行っている塾などに取材を敢行。ローカルな運営法の中に、塾で生かせるヒントがある!?

私塾のトップに聞く:井沢 隆 代表【ビジュアルビジョングループ】 埼玉県

【ビジュアルビジョングループ】生徒も社員も一人ひとりの夢を実現させてあげたい!!

学習塾と私立学校、そして不動産と飲食、さらに介護など多彩な事業を展開するビジュアルビジョングループは、コロナ禍でもその真価を発揮して総資産300億円を達成した。
生徒も社員も一人ひとりの夢を実現させてあげることで、期待以上の結果を出すという企業精神のもと、埼玉県の優良企業のトップとして走り続ける井沢隆代表に現状の課題と今後の方向性について取材した。

井沢 隆 代表

総資産300億円突破!!

千葉 塾部門「株式会社ビジュアルビジョン」のこうゆうかん・THE義塾の現状の課題と今後についてお聞かせください。
また、コロナ禍の中での対応とデジタル化などについてお聞かせください。

井沢 総資産は300億円規模になっていますが、売上としては、昨年の91億円に対して今年度は103億円、税引き前利益は10億円で前年比115%です。
第三四半期としては前年比125%で残りの期間を加えると130億円、税引き前利益は20億円近くになる見込みです。
塾部門は苦戦していますが、全体としてはコロナ禍でもマイナスにならず、業績好調で今回の賞与も前年の4ヶ月から5ヶ月に増やしました。

千葉 コロナ禍の影響はどうでしたか?

井沢 当初生徒数が3%ほど減少しましたが、売上高は2~3%上がりました。
また、利益は数千万円減りましたが、Zoomを導入し、リアルでもリモートでもどちらを選択してもよいという形にしたところ、受け入れてもらえました。
すでに各部門のトップに任せていますが、今後も個別指導部門や集団指導部門のそれぞれの責任者に運営を任せていくつもりです。

 

塾のノウハウを導入して成功している2つの私学

千葉 学校法人のビジョナリースクール翔凛中高、東陵高校について現状と今後の方向性をお聞かせください。

井沢 東洋経済の特集記事でも取り上げていただきましたが、入学から卒業までの成績向上が全国1位になり、学力向上のできる私学、合格力の高まる私学として知名度を年々高めています。
これは塾のノウハウをそのまま導入したことで指導力アップができ、良い結果を出しているのだと思います。
今後は部活動の指導にも引き続き力を入れて、職員との硬軟合わせた交流を絶やさないようにしていきたいと思っています。

千葉 生徒たちの活躍の場が広がっていますね?

井沢 そうですね、英語討論やチアリーディングなど全国大会で賞をいただいている部が増えています。
東陵も翔凛と同じように大変でしたが、翔凛で5~6年かかったことが、東陵では改革が早まり1年で受験生が倍増しました。
こちらの姿勢が既存の先生たちに理解されたことが大きいですね。
上からの指示ではなく、すべての職員の環境を改善することが私学改革の絶対条件だと思います。
こちらの指示を徹底するのではなく、一つひとつ丁寧に伝えて理解してもらうことが大事です。

 

介護事業が絶好調である理由とは?

千葉 介護部門の「けあビジョン」と「けあビジョンホーム」についてお聞かせください。

井沢 介護部門は利益率が10%増えて、特に訪問介護が20%増です。
コロナ禍で大変ではありますが、私たちのサービスを求めている人たちは減っていないので、それに応えた結果が出ているのだと思っています。
感謝の声をいただくことでさらに現場の意欲は増し、介護事業は現在好調です。

 

社員を大事にすれば現場で改革がはじまる・・・

千葉 料飲部門「株式会社WAヴィジョン」のにき亭・青羅・W.A.ダイニングについてお聞かせください。

井沢 コロナ禍でとても厳しい状況もありましたが、私の方針として、一人もリストラせず社員を守ることに徹しました。
さらにモチベーションアップを図り賞与を増やしたところ、部門独自に生き残り戦略を考えてくれたんです。
まず顧客名簿からお手紙を出すことに始まり、次にインスタグラムで、自分たちが作った美味しい料理のレシピを写真とともに公開しました。
PR要素のない「料理長の話」といったコンテンツを裏表なく公開したり、工夫した料理を公開したりもしました。
他にもテレビの食べ歩き等の番組で、顧客でもある芸能人のみなさんが応援してくれたことも大きいです。
主としてそうした取り組みにより売上も増えて、補助金にも助けてもらいながら、すべての店が地域のトップブランド店として生き残っています。
実は、当グループに組み込まれる前は業績悪化で賞与ゼロだった社員たちに、私は5ヶ月分の賞与を支給しました。
この思い切った決断に、彼らはしっかりと「自分たちでどんな仕事したらよいか」を考えて、期待以上の結果を出してくれたのです。
同業者は誰もが大変な思いをしました。とにかく生き残らないといけない。
最近は店舗営業だけでなくグループ内の学校や介護施設の食堂運営でプラスとなっています。

グループホームは施設費で平均2億5千万円はかかるので15箇所で合計30億円以上かかりますが、すぐに定員を満たすので、先行投資を覚悟してどんどん出していく予定です。

 

不動産部門は引き続きグループの大きな柱

千葉 不動産部門「株式会社ビジョナリー」と「株式会社ケイ・アンド・アイ」についてお聞かせください。

井沢 グループ全体の収益の大きな柱になっている不動産部門は前年比50%以上のプラスとなっています。
前橋市の駅前のビルや1万坪のショッピングセンターなどを取得し、今後収益に貢献していくと予想します。
一等地が多く利回りもキャッシュフローも良いので、金融機関からの借り入れも容易です。
いま買いたいのは再開発中の札幌市、そして兵庫県や岡山県の物件ですね。

千葉 井沢社長が不動産に注力する背景は何でしょうか?

井沢 400年続いている実家が原点でしょうか。農家は土地さえ手放さなければ長い期間続きます。
それを目の当たりにしてきたことが大きいのだと思います。

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