【大村 伸介】安心感が生まれるメカニズム

この号が皆様のお手元に届くころには、入学式、始業式といったまさに1年の始まりの時期となります。
先生方も生徒たちも希望に胸を膨らませていることと思います。
同様に、新型コロナウイルス感染症の動向と学校・学級運営が表裏一体となっている今、不安もお持ちのことでしょう。

その不安をしっかりと受け止めることが、先月号でお話しした「傾聴」なのですが、まずは新学期、新年度、この「傾聴」を意識していただきたいと思います。
それだけで、生徒や保護者の安心感が高まります。

 

「放す」と「離す」

では、なぜ「傾聴」によって安心感が高まるのでしょうか。
そのメカニズムをお話ししましょう。

人が抱えている「課題」「悩み」「夢」「目標」…これらのものは目には見えません。
それらを荷物に例えてみましょう。イメージはこんな感じですね。

講座や研修では実際に荷物を持っていただく方を参加者から募り、デモンストレーションを行います。
「いま、どんな気持ちですか」と尋ねますと、
「重たい」「早く置きたい」とおっしゃいます。
「いま、いくつ荷物を持っていますか」と尋ねますと、
「よくわからない」「そんな余裕はない」とおっしゃいます。
その荷物を受け取ることが、「傾聴」なのです。

すると、どんどんスペースが空いてきます。

「いま、どんな気持ちですか」と再度尋ねますと、
「すっきりした」「楽になった」とおっしゃいます。
「いま、いくつ荷物を持っていますか」と尋ねますと、
手放した荷物を見て明確に答えられます。
まとめると、こうなります。

「放す」ことで生じる心理的負担の軽減、「離す」ことで生じる客観性、これが、「傾聴」の効果です。
そのことが、生徒や保護者の安心感を生み出すのです。

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大村 伸介(おおむら しんすけ)

株式会社成基総研 コーチング室 室長


集団指導塾を経て、2004年株式会社成基入社。

教室長、エリアマネージャー、本部長補佐、副本部長を歴任。

現在は、教育コーチング、パパママコーチングセミナーのトップ講師として教職員研修、保護者講演会等で全国を飛び回る。

日本青少年育成協会認定上級教育コーチ・認定A級トレーナー、主任研究員。

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